中古物件の耐用年数

経理
【簡便法①】
耐用年数=法定耐用年数-経過年数+経過年数×0.2

※物件を取得した初年度でしか採用できない
※簡便法を採用しなかった場合でも更生の請求はできない
※リフォーム代が取得価額の50%以上の場合は適用不可
【簡便法②】
耐用年数
=(取得価額+リフォーム代)
÷(取得価額÷(法定耐用年数-経過年数+経過年数×0.2)
+(リフォーム代÷法定耐用年数))

※リフォーム代が再取得価額の50%以下であれば適用可能
※耐通1-5-6

中古物件の耐用年数は、原則、『見積法』という方法で算定するとされています。

ただし、この見積法は、物件に使われている材料などを見ながら、関連する資産の耐用年数を特定した後で、物件トータルの耐用年数を算定するという煩雑な計算であるため、実務上ではほとんど使用されていません。

通常は、上記の簡便法を使用して算定します。

簡便法①では、物件の法定耐用年数から経過年数を控除し、経過年数の20%をそれに加算して、中古物件の耐用年数を算出します。

簡便法①での耐用年数は、その物件を取得した初年度しか適用できません。

もし適用しなかった場合は、法定耐用年数が適用されるため、減価償却期間が長くなり、キャッシュ・フローが悪化します。

さらに、簡便法①を適用しなかった場合は、更正の請求で後から修正して簡便法①を適用することもできないため、注意が必要です。

また、物件の取得時に、取得価額の50%以上のリフォーム代がかかっている場合は、簡便法①が適用できません。

リフォーム代が取得価額の50%以上であっても、再取得価額の50%以下である場合は、簡便法②を適用することができます。

再調達価額とは、その物件を新築で立て直したらいくらかかるかという金額です。

ほとんどのリフォーム代は、再調達価額の50%以下になるため、簡便法②を適用できます。

リフォーム代が再調達価額の50%を超える場合は、残念ながら耐用年数が適用されます。