価格の種類 | 評価額 |
収益価格 | 建物の生み出す価値を表した価格 ※投資の際の収益性評価で重視される |
積算価格 | 建物自体の価値を表した価格 (=再調達原価) ※銀行融資の際に重視される ※耐用年数・面積・構造で評価 |
投資物件の価格には、収益価格と積算価格の2種類があります。
収益価格とは、物件が将来生み出す価値を表した価格です。
具体的には、その物件を運用することで将来どれぐらいの賃貸収入があるか、最終的に売却する際には、どれぐらいの価格で売れるかといった、将来の収入により増減する価格です。
それに対して、積算価格とは、物件自体の価値を表した価格です。
具体的には、現時点でその物件を調達するにはいくらかかるのか、または、売却する際にはいくらで売れるのかといった物件の市場価値により増減する価格です。
【一般的な積算価格の算定方法】 ■土地の積算価格 土地面積×前道の路線価 ■建物の積算価格 建物延床面積×再調達価格÷法定耐用年数×残存耐用年数 ※再調達価格は構造によって異なる |
土地の市場価格(=積算価額)は、一般的に、路線価を基準に算定します。
そして、建物の市場価格は、構造によって異なる再調達価格で算定します。建物の積算価格は、その市場価格の残存耐用年数分の価値として算定します。
金融機関によって、土地の路線価に対する掛け目や、再調達価格が異なりますので、建物の積算金額には多少の幅があります。
物件を購入する際には、その物件の利回りがどれぐらいになるかを重視するため、収益価格の方が重視されがちです。
ただし、銀行融資の担保評価の際には、通常、積算価格が評価額として採用されるという点に留意が必要です。
これは、銀行が担保評価の際に、収益価格と積算価格のどちらか低い方が評価額として採用しており、収益価格は運用益を含んでいるため、一般的に積算価格よりも高くなる傾向があるからです。
そのため、特に自己資金が少ない場合の物件選びの際には、この収益価格と積算価格の両方をチェックして購入を検討しましょう。